有名新聞の編集者のもとには、1日に何百通ものプレスリリースが届くといいます。そのほとんどが読まれずにごみ箱行きになるのは無理ありません。そうしたなか、編集者の目に留まるプレスリリースとはどのように書けばいいのでしょうか。
<ニュース性>
プレスリリースとは通知するものであり、売り込むものではありません。セールス文書はいやがられます。アメリカのニュービジネスを取材する私のもとにも「記事を書いてくれ」と米国企業や起業家がよくやって来ますが、たいていただの売り込みで、記事にできるような内容は見当たりません。
プレスリリースでは、記事として取り上げやすいもの、ストーリー性を提供することが大事です。日本ではあたりまえと思われていることでも、海外ではユニークと考えられ、ニュースとなることもあります。ターゲット市場の視点で作成することが重要です。また、事実ではないこと、証明できないようなことは書かないことです。
<タイトル>
ほとんどの編集者がタイトルを読んで、リリースを読むかどうかを決めるので、目をひくようなタイトルをつけることが重要です。
<連絡先>
担当者の名前、電話・ファクス番号、電子メールアドレスを明記します。編集者から問い合わせがあるかもしれませんし、記事として取り上げられた場合に、連絡先も掲載してもらう必要があります。
<簡潔に>
1〜2枚におさまるようにします。せいぜい500語程度におさえるべきでしょう。3〜4の段落にまとめ、読みやすくします。また、大事な内容から先に書きます。
<適切な出版物、部署に送付>
プレスリリースは、新聞、雑誌、ニュース配信サービス、業界誌、TV・ラジオ、電子マガジンなどに配布しますが、ターゲット層に届く媒体を選ぶことが肝心です。関係のない業界の出版物には送付しません。また、ターゲットの媒体のスタイルや内容を研究し、それに合ったスタイルで書くことも大事でしょう。
<締め切りを考慮>
編集側の締め切りを考慮することも重要です。翌週開かれるイベントに間に合うように載せてもらうなどというのは月刊誌や週刊誌には無理な話です。時間的に余裕をもって送付しましょう。
<ウェブサイトと連携>
プレスリリースは、ウェブサイトにも掲載します。私も取材先を決める際、まずはその会社のウェブサイトを訪れ、できるだけ多くの資料を集めます。プレスリリースが掲載されていれば、取材側はわざわざ企業にプレスリリースを請求する手間も省けますし、企業側も個々の依頼に対応する必要がありません。
プレスリリースを流して興味をもったマスコミ側は、ウェブサイトを訪れるかもしれません。プレスリリースを流す前に、プレスリリースを反映した内容にウェブサイトの情報を更新しておきましょう。