今や主な通信手段といえばEメール。Eメールなしでは仕事は成り立たないと言っていいでしょう。
下記は、世界で1日にやりとりされるメッセージ数(インスタントメッセージを含む)の増加を示す表ですが、2007年の1960億通から2011年には3740億通にほぼ倍増すると予測されています。とくに消費者発着よりもビジネス発着メッセージの成長が見込まれています。[グラフ省略]
「えー、今以上に、受信メール数が増えるの?!」という人も多いでしょう。多くのビジネスピープルにとって、Eメール環境はすでに麻痺状態です。
アメリカでは「Eメール自己破産」を宣告した有名人(弁護士やベンチャーキャピタリスト、テクノロジーサイト運営者など)が何人かいます。「Eメール自己破産」とは、受信箱にメールが何千と貯まりに貯まって(未読メール1万本という人もあり)、一々開けて読んでいる暇がないので、「すべて捨てますので、大事なメールを送った人は再送してください」というメールを送信者に一斉に送るプロセスを指す新語です。
「自己破産」とまでは行かなくても、自動応答メールで「私はメールは1日に一度しか読みませんので」と警告する人も出てきています。
こうした状況の中、相手にメールを読んでもらうには、「ポイントを得て簡潔に」ということがこれまで以上に肝要なのです。
そこで、本書では「3行でいかにポイントを伝えるか」に焦点をあてています。日本人は前置きが長くなり、かつ英語の未熟さと相まって、冗漫なメールを書く人が多いのですが、本書では実際に筆者が送受信したメールを例文として使っていますので、ネイティブたちがどれだけ簡単な文章を使っているか、ぜひ参考にしていただきたいと思います。
本書が読者の皆さまの海外とのメールの円滑なやりとりの一助になれば幸いです。
2007年10月 有元美津世