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世界最大のランドスケープデザイン事務所で働く人

日本の不景気にもかかわらず

 92年に大学院に進むために渡米した石田直人さん(33歳 nishida@earthlink.net)は現在、世界22カ所に事務所をもつ世界最大のランドスケープデザイン事務所、EDAWに、ランドスケープデザイナーとして勤めている。
ランドスケープデザイナーとは、建築以外の外部空間・環境のデザインをする人のことで、公園をはじめ、リゾート、テーマパーク、都市までをも設計する。
石田さんが勤務する同社の南カリフォルニア事務所は、カリフォルニア、アリゾナ、ネバダなどの南西部、日本を含む環太平洋地域、南米を担当している。とくに日本市場の存在は大きく、日本の不景気にもかかわらず多数のプロジェクトを抱えているという。

石田さんが担当するプロジェクトは、日本のプロジェクトと米国内のプロジェクトが半々。
社内でただ1人の日本人スタッフであることから、日本のプロジェクトの多くを任されており、これまで、大阪に計画中のユニバーサル・スタジオ・ジャパン、ウォーターフロント再開発のサンポート高松、小樽市の複合商業施設開発、大分市の次期ワールドカップサッカー・スタジアム敷地内の大規模住宅開発などに携わってきた。
米国内では、フロリダにオープンしたユニバーサル・アイランド・オブ・アドベンチャーというテーマパークや、ディズニー・アニマル・キングダム、南カリフォルニアの大規模住宅開発、アリゾナの複合リゾートなどを担当した。

アメリカで勉強するしかない

 石田さんは日本の大学で社会心理学を専攻。在学中より心理学的に考慮されたデザインに興味をもち、リゾート企画に関心があったため、デベロッパー、不動産、鉄道会社を中心に就職活動を行なったという。卒業後は、大手企業に入社。日本で初めてタラソテラピーを取り入れたリゾート、志摩タラサリゾートの開発を担当した。 しかし、「硬い考えの会社は、私が文系出身ということで、リゾート開発のなかでも本当にやりたい仕事−環境計画を担当させてくれることはありませんでした。そんなときに、会社の先輩からランドスケープ・デザインという分野があるということを聞き、いろいろ調べてみたところ、米国には、ランドスケープ・アーキテクチュアという学問があり、ランドスケープデザイナーという日本では耳慣れない職業も存在することがわかりました」 日本では、当時、この学問は認知されていなかった。そこで、石田さんは、建築でもない、造園でもない、都市計画でもないランドスケープ・アーキテクチュアを勉強するにはアメリカで勉強するしかないという結論に達したという。(次号に続く)

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Revised 2/8/99