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| 米国ニュービジネス発掘−40−
全米で大人気!
エレベーター用 インターネットスクリーン
会社名:Captivate Network, Inc.
設 立:1997年
代表者:Michael DiFranza
URL:http://www.captivatenetwork.com
ビルやホテルのエレベーターの中ですることといえば、階数を見ているか、下を見ているか、宙を見ているかだろうか。見知らぬ人と狭い空間に閉じ込められるのは、ぎこちないものだ。
ある日、夜行フライトでオフィスに戻り、疲れてエレベーターに乗っていたマイケル・ディフランザ氏は、「エレベーターの中でもっと面白い、ためになるものは見られないものか」と考えているうちに、エレベーターにフラットパネルのスクリーンを取り付けてインターネットベースのコンテンツを流すことを思いついた。
元々、技術者で、ハイテクの営業マーケティングや管理で15年の経験を持つディフランザ氏は、当時の同僚で現最高技術責任者のトッド・ニュービル氏、現エンジニアリング・製造担当副社長であるレイモンンド・ピノー氏とともに、97年にキャプティベートネットワークを設立した。キャプティベートネットワークでは、オフィスビルやホテルのエレベーターに、高解像度のフラットパネルのスクリーンを設置し、インターネットでローカルニュース、天気予報、道路状況、株式市況などのコンテンツを流すサービスを提供している。
エレベーターシャフトにワイヤレス装置を取り付け、ビル内に設置したサーバからコンテンツを送り込む仕組みだ。
スクリーンの上部3分の2にコンテンツを流し、下部には広告主のロゴやURL入りの広告を掲載する。ニュースは1日4回、株価、交通情報、天気予報などは20分ごとに更新される。
普通のインターネットとは違い、インタラクティブではないので、ユーザーが他のホームページに飛ぶなどの操作はできない。また、画像のみでオーディオはない。マーケティング調査の段階で、「音声は耳障りと感じる人が多い」という結果が出たからだ。
創立者の3人は、システム開発前にビルやホテルの管理会社、エレベーターメーカー、広告代理店などをインタビューし、エレベーターの中で人が過ごす平均時間や、どのようなコンテンツをどのような形でどれくらいの間隔で流すべきかなどを念入りに調査した。
コンテンツは、ロイターやニュヨークタイムズ紙、ローカル情報サイトシティサーチなどのコンテンツプロバイダーから入手し、キャプティベートネットワークでスクリーン用にフォーマットし直す。
スクリーンは、ビル内の案内表示にも使われる。ビルの管理者がテナント向けに点検サービス、工事の予定、新しいテナントの紹介、ビル内のカフェテリアのメニューなどを流すのだ。こうすれば、わざわざテナントに紙ベースの案内を配る手間が省ける。またホテルでは、あるグループ客がチェックインした際には、歓迎メッセージを流すといった形でも用いられている。
エレベーターのパネルに設置されたスクリーンは簡単なように見えるが、「製品、アーキテクチャともに1年かけて社内で開発した。大変な作業だった」とディフランザ社長は語る。同社では、このシステムに対し特許を取得済みである。
同社のスクリーンは、どのメーカーやサービス業者のエレベーターにでも設置できる。機器や設置代はキャプティベートネットワークが負担し、ビル所有者はエレベーター一機につき月約150〜250ドルのサービス料を支払う。広告収入をビル所有者とシェアする場合もある。
当初、不動産業者にコンセプトを受け入れてもらうのに、時間がかかったという。98年、地元ボストンのホテルに初のスクリーンを設置。その後、ニューヨークやシカゴのオフィスビルに設置した。99年には、全米最大のオフィスビル管理会社と、全米にある100以上のビルにスクリーンを設置する契約を交わしている。
アメリカでは1日5億人以上の人が60万機以上のエレベーターを利用しており、一日に平均2回は乗り降りするので、広告主にとっては述べ20億人の視聴者(?)をターゲットにできるということになる。
オフィスビルのエレベーター利用者は、25〜54歳の男性、および働く女性で、大卒で高収入の管理職や専門職が多く、91%がコンピューター利用、70%が職場からインターネットにアクセスという、広告主にとって魅力的な層だ。「広告主は昼間、この層にリーチするすべがない。我々にはそれができる、それも確実な形で」(ディフランザ社長)。ましてエレベーターの中では逃げられないし、他のページに飛ぶこともできない。
鍵は、エレベーターを降りた後、オフィスのコンピューターでエレベーター内で見たコンテンツプロバイダーや広告主のサイトにアクセスさせることだ。キャプティベートネットワークのサイトに行けば、そこからハイパーリンクでこれらのサイトに飛べるようにもなっている。広告主には、どういった層をターゲットにしているかを正確に知らせるために、各ビルのテナントのプロフィールを提供する。
同社のスクリーンを取り付けたビルでは、エレベーターを利用する人の90%がいつもスクリーンを見るという結果が出ているそうだ。また、乗り合わせた人たちが画面を見ながらお互いにしゃべるようになり、以前よりもなごやかな雰囲気が生まれ、テナント間のコミュニケーションがよくなったという。
大手エレベーターメーカーのオーチスも、同様のサービス開始を発表している。同社は世界のエレベーター市場の20%、120万機を握っているといわれ、強敵になると思われる。しかし、「ある程度の市場は握るだろうが、オーチスはしょせん機器メーカー。キャプティベートネットワークは、技術を使ってメディアサービス提供しているメディア会社です」とディフランザ社長は自信ありげだ。
技術者3人で始めたキャプティベートネットワークだが、当初から「我々はメディア会社である」という自覚のもと、メディア業界で経験のある人材をリクルートしてきた。
同社では、今年中にサンフランシスコ、ロサンジェルス、ダラス、ヒューストン、アトランタなど10〜12の主要都市に進出し、2001年中には25都市に市場を拡大するつもりだ。
すでに日本への進出も計画中であり、香港やシンガポールなど高層ビルの多いアジア圏に進出を予定している。
また、オフィスビルでの利用以外にも、電車やスキーのゴンドラ、ATM、スポーツイベントなど、多くのアプリケーションを検討している。
有元美津世/ベンチャーリンク誌2000年4月号掲載 Copyright GloalLINK 1997-2000
Revised 4/28/2000 web2@getglobal.com
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