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「米国オンラインコミュニティ最新事情」

  米国では、2年ほど前、オンラインコミュニティブームが起こり、次々と新たなコミュニティサイトが誕生。サーチエンジンや消費者向け企業サイトまでがコミュニティ機能の導入に躍起になった。インターネットビジネスの成功には、コンテント、コミュニティ、コマース、コミュニケーションの4つのCが必要だとも言われた。これは、オンラインコミュニティが集客に役立ち、ユーザをサイトに長く留めさせる“接着剤”としての効果があるからである。

 事実、ヤフーなどのポータルに並び、コミュニティサイトは莫大な訪問者数や会員を集めるのに成功している。ヤフーに買収されたジオシティーズはサイト訪問者数ランキング10位以内、ともにライコスに買収されたエンジェルファイアやトライポッドも常に20以内にランク入りしている。

 ただし、インターネットの世界では、サイトのアクセス数が必ずしも売上や収入に結びついていないことが、最近、浮き彫りになってきた。医療健康情報サイトのドクター・クープでは、登録ユーザ数1300万人、訪問者数は月480万人で健康ポータルとしては第2位だが、赤字額は売上800万ドルに対し5800万ドルに上っており破産寸前である。ジオシティーズでは、ヤフーによる買収前、99年の上半期1200万ドルの売上に対し、1700万ドルの損失を計上。トライポッドもライコスによる買収前、98年度70万ドルの売上に対し、400万ドルの損失を計上した。大学生コミュニティとしては最大のカレッジクラブでは、今年に入って従業員を解雇している。

 オンラインコミュニティは、おもな収入を広告に頼っているが、最近、バナー広告の効果薄が周知の事実となり、販売が難しくなっているうえ、広告料金も下がっている。そのため、オンラインコミュニティを含む情報提供主体のサイトでは、広告収入への依存脱却、収入源の多様化を強いられている。

 女性向けコミュニティとしては最大のアイビレッジでは、99年マタニティ用品やベビー用品の販売を開始。チャットベースのオンラインコミュニティ、トークシティでは、他のウエブサイトにコミュニティ機能やサービスを提供するB2Bモデルに移行している。94年に学生2人が大学の寮で立ち上げたザグローブ・コムはIPO当日、株価が7倍に上昇し話題を呼んだが、株価が暴落した今では財政危機に陥っている。収入のほとんどを広告収入に頼る同サイトでは、ゲームサイトの買収、製品販売の開始、他サイトへの電子メールクラブサービスやホームページ作成ツールの提供などを通じ、収入源の多様化に努めている。

 ECモデルへやB2Bモデルへの移行には、どのサイトも苦労している。今後のオンラインコミュニティ存続の可否は、広告収入への依存からいかに脱皮するかにかかっているといえるだろう。

有元美津世/ベンチャーリンク誌2000年9月号掲載  Copyright GlobalLINK 2000

 

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