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店舗・カタログ・ネット販売で黒字になった米国企業
「 360度展開で伸びる!」





はじめに

 00年から01年にかけ、アメリカのインターネットバブルがはじけ、有名ドットコムが次々につぶれるニュースが日本にも伝わった。日本のeビジネスは、バブルに膨らむ前にしぼんでしまった感があり、「インターネットはだめだ」「やはりリアルでないと消費者は信じない」などとインターネットを完全に否定しまう人すら現れている。

 しかし、ここでインターネットの導入を断念してしまうのは大きな間違いだ。インターネットを利用して儲けている会社はいくらでもある。つぶれたドットコムはインターネットを利用していたからつぶれたのではなく、事業計画やビジネスモデルが乏しく、経営方針をあやまったからつぶれたのだ。

 また、つぶれているのはドットコムだけではない。アメリカでは、01年、アメリカ史上最大の倒産となったエンロンの倒産のほか、電力会社のPG&Eまでつぶれた。02年に入ってからは創業104年のKマートや史上第4位の倒産となったグローバルクロッシングが倒産した。アメリカでは、01年255社の株式公開済み企業が倒産したが、02年にはさらに倒産件数が増える見込みである。

 しかし、そうしたなか、ウォールマートやスターバックスは売上を伸ばし、事業拡大を続けている。さらに、売上を伸ばしているのは、こうした既存の大手企業だけではない。01年第4四半期に初めて利益を計上したアマゾン・コムやEローンなど数々ある。エクスペディアやホテルリザベーションズ・ネットワークに至っては、テロの影響を一番受けた旅行業界であるにもかかわらず、過去最高の売上と利益を上げている。オンラインであろうが、オフラインであろうが、淘汰は常に起こり、本当に強い会社だけが残るのだ。

 本書では、不況にもかかわらず、インターネットを利用して業績を伸ばしている企業30社を紹介する。第3章ではインターネットを新たな販売チャネルとして加え、マルチチャネル展開で売上を伸ばす既存大手小売業者14社、第4章ではカタログや店舗でオフラインにも進出して、やはりマルチチャネル販売を行うドットコムや、オンラインだけで生き残っているドットコム9社について解説する。さらに第5章では、既存企業、ドットコムにかかわらず、今、ネットで一番伸びている旅行関連企業7社を紹介している。

 インターネットはしょせんチャネルの一つ、ツールの一つに過ぎない。今後、オンライン、オフラインといった区別は意味をなさなくなる。どの企業もインターネットをチャネルの一つとして持っているのがあたりまえとなるのだ。オンラインとオフライン、複数のチャネルをシームレスに統合した企業のみが生き残れるのである。

 最後に、毎度のことながら、大変な調査作業をこなしてくれた孝くん、井坂浩章さん、ありがとう。そして、再び優秀な荒木さんと仕事ができて光栄です。今後もまた一緒に本作りができればと思います。

2002年2月17日 有元 美津世

 

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