世界の電子メール人口は、現在、5.000万人とも6.000万人とも推定されており、この数は1999年までにさらに800％伸び、4億5.000万人になると予測されています。Ｅメールが世界でもっとも普及しているアメリカでは、2001年までに人口の約半分がＥメールを利用するようになると言われています。

　ビジネス世界では、Ｅメールはすでに主要なコミュニケーション手段となっており、日常の連絡手段としてだけでなく、報告書の送付や製品情報の配布、販促活動、顧客サポートなど様々な目的に利用されています。郵便やファックスより安価ということもあり、これからさらに利用範囲は広がるでしょう。

　しかし、日本人にとってやっかいなことに、インターネット上の主流言語は英語です。昔、海外とビジネスをする上で、英語のコレポン技術が要求されたように、これからの国際ビジネスの舞台では、英文で効果的なＥメールが書けることが不可欠となりつつあります。

　また、世界中どこからでもアクセスできるホームページを出していれば、ある日突然、英語のＥメールが舞い込んでくるかもしれません。実際に、日本語のホームページしか出していないのに、英語で注文が来たという企業もあります。（筆者の元には、中国、インド、トルコなど世界中から問い合わせのメールが入ってきますが、アルゼンチンからスペイン語の問い合わせが舞い込んできたこともあります。）英語のメールが来たときに、すぐに英語で返事が出せなければ、せっかくのビジネスチャンスを失うことになりかねません。

　本書では、ビジネスのあらゆる状況に対応できるよう、国際ビジネスの現場で使われているＥメールの実例を豊富に収録してあります。読者の皆さまが、日常の様々な業務において、さらに世界に向けてビジネスを切り開いていく一助として、本書をお役に立てていただければ幸いです。

　本書の執筆にあたり、丸山芳明氏、井上由香里氏、鈴木八千代氏、James Tsusaki氏、高井由紀氏、砂子恵氏、Jay氏、Mike Myers氏には、大変お世話になりました。そして、本書の誕生を可能にしてくださったジャパンタイムズ出版部の道又敬敏さんに深くお礼を申し上げます。