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確定申告の時期がやってきた。アメリカでは源泉徴収を受けている会社員を含め、国民全員が確定申告を義務付けられている。近年、コンピューターソフトを利用して自分で申告書を作成する人たちが増えている。
私も毎年インテュイット社のターボタックスを使っている。今年もオンラインで購入しようとアマゾン・コムに行ったところ、なんと同製品に対するカスタマーレビューが散々なのだ。それも過去何年も毎年ターボタックスを使ってきた忠実なユーザーたちが、「二度と同製品は使わない」と怒りまくっている。ターボタックスを返品して競合品を購入したというユーザーも少なくない。他のオンラインフォーラムも同様の怒りの声に満ちていた。
インテュイットは今年、ターボタックスに、ウィンドウズXPと同様のプロダクト・アクティベーション(製品のライセンス認証)機能を統合したらしいのだ。そのため、完全版のソフトは一度しかインストールできず、ハードドライブが故障して取り替えても、再インストールができないという。さらにこのプロダクト・アクティベーションに使われているソフトが、他のソフトに干渉して不具合を起こすこともあり、かつそのソフトはターボタックスをアンインストールしても取り除けないというのだ。このソフトは「スパイソフト」だという人もいる。それもこのソフトが搭載されていることを顧客は事前に知らされていなかったのだ。
不具合に困った顧客が顧客サポートに電話をすると30分も1時間も待たされた挙句、「もう一枚ターボタックスを買え」という冷たい返事が返ってくるという。
その後、インテュイットはオンラインでの同ソフトのアンインストーラーの配布を始めた。しかし、私はすでに競合品を注文した。確定申告だけでも大変な時期にコンピューターの不具合と格闘している時間はないのでそのリスクは負えない。ターボタックスを利用している友人らにも今回の問題を伝えたが、買ったばかりのターボタックスをすぐに返品しに行った人もいる。
こうして、実際に購入した顧客だけでなく、恐ろしい話を聞いて競合品を購入した顧客もかなりの数にのぼるだろう。ソフトの不正コピー防止は、ソフト開発会社にとって、顧客サポート経費が増加しても、長年の顧客を失っても、推進するのに値するのだろうか。
有元美津世/東京新聞・中日新聞「アメリカ便り」2003年2月掲載
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