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インターネットバブル当時、航空券などを顧客が指値で買えるという、いわば逆オークション方式で一躍有名になったプライスライン・コム。その後、販売商品を旅行商品以外にも拡大し、莫大な赤字を抱えて経営危機に達し、典型的なドットコムの道を歩んだ。ソフトバンクと合弁で日本に進出するという計画も挫折した。
しかし、その後、創立者であったCEOが退任し、新たなCEOの下、経営立て直しに成功。2001年から四半期ベースで利益を計上している。
私の友人には、航空券は必ずプライスライン・コムで買うという人もいるが、購入するまでどの航空会社や飛行ルートを利用することになるかがわからないため、決まった時間に一定の目的地に到着しなければならないビジネス旅行者には向かない。
しかし、ホテルとなると別である。ある程度地域が絞れてホテルのランクを限定できれば、希望しないホテルに泊まるリスクはかなり削減できる。とくにラスベガスではプライスライン・コムを使うと、一流ホテルに格安で泊まれると聞いた。
そこで、ラスベガスのホテルをプライスライン・コムで予約することにした。ストリップ(ラスベガスのメインストリート)で5つ星のホテルと限定すれば、ベラジオ、ベネチアン、フォーシーズンズくらいしかない。どのホテルでも文句はない。
宿泊予定日の2週間前に、指値料金はまず一泊50ドルから始めた。75ドルまで指値を上げたがマッチするホテルはなかった。そこで一度は断念したが、また1週間前に試してみた。今度は78ドルから始めたところ、一発でベネチアンが指値で取れたのだ。ベネチアンの正規の宿泊料金は150ドルほどしている。ホテルの部屋はいわば生もの?その日に使われなければ価値はない。宿泊日が近づくにつれ、価格が下がるのだ。もっとも、他のホテル予約サイトでは、78ドルという破格値は見つからなかった。
購入に対し不確定要素、ユーザーからのクレームが多い一方、プライスライン・コムに強い支持者がいるのはこのためだったのだ。同社が黒字転換したのも不思議ではない。
有元美津世/東京新聞・中日新聞「アメリカ便り」2002年6月掲載
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