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「e-net −アメリカ便り」


−いたちごっこの電話サービス−


 
 10年間使っていた電話が壊れたので、新しく発信者番号通知サービスに対応した電話機を購入した。

 私は自宅の電話番号は電話帳にも番号案内にも掲載していないのに、それでもセールスの電話がかかってくる。留守番電話を通して、電話に出るかどうか決めるのだが、留守電にメッセージを残さない人もいる。誰から電話がかかってきたかわかれば便利である。

 電話会社も、こうしたプライバシーを重視する顧客向けに、様々なサービスを提供している。あらかじめ選んでおいた人からの通話では着信音が違う「優先着信音」、または着信音が鳴らない「通話スクリーン」などがある。

 発信者番号通知サービスを使っている人に電話をした場合、通話者の番号が先方に表示されるが、たとえば、問い合わせをした企業や店に自分の電話番号が渡ってしまうのは困る。そこで、発信者番号を非通知にするサービス(無料)もある。

 ところが、発信者番号通知サービスを利用している者にとっては、通話者の番号が表示されなければ、サービスに加入している意味がない。そこで、番号を非通知にしている人からは電話を受け付けない「匿名通話拒否」サービス(NTTの「ナンバーリクエスト」にあたる)がある。自分の番号を非通知にしている私が、「匿名通話拒否」サービスを利用している友人に電話をするときには、毎回、*82を押して非通知機能を解除してから、相手の電話番号をダイヤルしないといけないのだ。

 最近では新たに「プライバシーマネージャー」という、非通知機能を利用している通話者は名前を告げなければ相手につながらないサービスも登場している。電話を受けたくない相手には「二度と電話をしないように」というメッセージを送ることもできる。

 つまり、サービスAが登場したが、それを回避するサービスBが登場し、またそのサービスBを無効にするサービスCが登場したというわけだ。どんどん高まる通話者のニーズにこたえるため、次々に新たなサービスを提供する電話会社は儲かる一方ということか…。

有元美津世/東京新聞・中日新聞「e-net −アメリカ便り」2001年8月掲載 
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