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「e-net −アメリカ便り」


−ドットコム企業の生き残り法−


 
 先月、ロサンジェルスで開かれたインターネットワールドに参加した。私は95、6年から毎年インターネットワールドに出ているが、今年はインターネットバブルの崩壊で、例年の活気は感じられなかった。インターネットが上り調子であった3年ほど前、通路は人で埋まり、まるでお祭りのような活気にあふれていたのとは大違いだ。

 例年、3つのホールを使って行われるのだが、今年使われたのは2ホールだけ。入り口の近くに巨大ブースを出すマイクロソフトなどの大企業は健在だが、昨年出展していた多くのドットコム企業は姿を消していた。人の入りも少なめだ。

 会場で会った知人らも皆「今年はダメだね」と口にしていた。その中のひとりジョンは、ビバリーヒルズでウエブ開発・ホスティング会社を経営して10年になる。ジョンと最後に会ったのは3年前。その頃、ジョンは大きな構想を持ち、インターネットTVや教育部門、医療部門にまで手を広げようとしていた。その範囲が広すぎて、正直いって、私にはジョンの会社が一体何を本業としているのかが把握できなかった。今は、ウエブ開発とウエブホスティング業に専念しているということで、わかりやすい。

 昨年までは、ジョンのもとにもベンチャーキャピタルなどから出資したいという申し出がたくさんあったという。「でも、受け取らなくて正解だった。何かがおかしかったんだ。そんなはずがないと思った。あんなのが続くわけがないんだ」と、あぶく銭を受け入れず、地道に経営を続けてきたことを心底喜んでいた。実際、利益を出している中小ドットコムには、「外部から多額の資金を得られなかったことが、幸いした」というところが多い。

 結局、高い出展費を払ってインターネットワールドに出展しなかった中小ドットコムが生き残ったということか。

有元美津世/東京新聞・中日新聞「e-net −アメリカ便り」2001年4月掲載 
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