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前回、中東情勢の予測に対して取引が行われる先物市場、「政策分析市場」を紹介したが、「死の先物市場」と呼ばれても仕方がない。パレスチナのアラファト議長暗殺やヨルダン王室の転覆がその対象として挙げられていたのだから。
他国で米大統領の暗殺に対し賭けなど行われでもすれば、米政府、国民は放っておかないだろう。他国に対するその無神経さにはホトホトあきれ返らされる。米政府は今、パレスチナ和平案を推進しているのであり、またヨルダンは米国の同盟国でもあるのだから、外交的にも大失点だ。
しかし、「政策分析市場」の内容をよく調べてみると、真っ当なもののようなのだ。同市場は、そもそも暗殺やクーデターはもとより、個々のテロを予測するためのものではなく、本来、中近東の国々の経済成長率や社会不安程度、軍事活動レベルなどが予測される予定だったのだという。暗殺や王室転覆など、使われた例があまりにもまずかった。
政府主導の先物市場は立ち上げ前に失敗に終わったものの、MITやエール大学などの学者らが計画した先物市場が10月1日にオープンする。「米国アクション市場」では、「次にニュースとなるホワイトハウスの嘘は?」「ホワイトハウスが次に最終通達を突きつける国は?」「次に不祥事で辞任するホワイトハウスの人物は?」といった出来事に対して取引が行われる。
前回紹介したトレードスポーツ・コムでもイギリスのブレア首相や、リコール選挙を控えたカリフォルニア州のデイビス知事がいつ退陣するかの賭けも行われている。日本でも政治家の退陣に対し賭けでも行われれば、少しは失言が減るかもしれない。
有元美津世/東京新聞・中日新聞「電脳人」2003年9月掲載
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