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イラク戦争開始前にフセイン政権の崩壊時期に関し賭けを行えるサイト(トレードスポーツ・コム)があったが、先週、中東情勢の予測に対し取引ができる先物市場を米国防総省が開始するという計画が明るみに出た。
「政策分析市場」と命名されたこの先物市場では、パレスチナのアラファト議長暗殺、ヨルダン王室の転覆、北朝鮮によるミサイル発射がいつ行われるかといった予測に対して取引が行われるというものだった。
この先物市場は、国防総省が補助金を提供し、経済学者と技術開発会社、エコノミスト誌のビジネス情報部門によって開発された。
穀物でも為替でも何でも先物取引できるのだから、情報だって取引できないことはない、ということだ。実際、アイオワ州立大学が運営するアイオワ電子市場では、88年から米国大統領選の投票結果について先物取引を行っているが、その予測は世論調査よりも正確だという。
国防総省としては、内部情報を握った人物が賭けることにより、テロなどに関する情報を収集するのが狙いだった。
ところが、この計画が明るみに出るやいなや、「死の先物取引」「グロテスク」と米議会から猛反対を受け、8月1日からベータテストが開始される予定だったサイトは直ちに閉められた。
こうして計画は先週中に断念され、計画を承認した退役海軍大将は、辞職に追いやられた。(元々、イラン・コントラ事件で起訴された、いわくつきの人物だったのだが。)
トレードスポーツ・コムでは、「この大将が今年8月31日にまだ在職しているかどうか」の賭けも行われていた。
(この話は次回に続く)
有元美津世/東京新聞・中日新聞「電脳人」2003年8月掲載
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