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不況のIT業界で、業績を伸ばしている部門がある-海外へのアウトソーシング業だ。インドなどに拠点を置くアウトソース受注企業は、ここ数年、毎年二桁の成長率を遂げている。
開発費用がアメリカ国内の50%、70%ですむというのだから、予算削減に苦しむ企業にとっては魅力的だ。それも「安かろう悪かろう」ではなく、品質も優れているという。アメリカ国内では入手できないスキルを提供している場合もある。
現在、アウトソース先はインドが一番多いが、中国やフィリピン、東欧などが急速に追い上げている。インドはここ数年でコスト有利性を失うとも言われており、インド企業はより高レベルのコンサルティングやシステム設計などを提供し始めている。
プロジェクト管理をスムーズに行うために、こうした海外企業ではアメリカ国内に拠点を設けている。インフラの設計や構築はアメリカ国内で行われることが多いため、「国内の雇用増につながる」と彼らは主張するが、従事するエンジニアの多くが労働ビザで働く外国人だという。
海外にソフト開発などをアウトソースしているのは民間企業だけではない。財政難にあえぐ州政府などの自治体もアウトソースを始めている。「州内の雇用を保護せず州民の税金を海外に放出している」 という批判はあるが、自治体側は「予算は減る一方で、開発を進めるには低コストのアウトソース以外には不可能」と反論する。
この先15年で100万のIT職が海外に移転するという予測もあり、増加するアウトソーシングに対し、とくに失業中のIT労働者からの反発は大きい。すでに外国人向け労働ビザの発給数は削減されており、州発注の仕事の従事者はアメリカ市民または永住者であることを義務付ける法案を通す州も現れている。
過去に製造業が海外に転出し空洞化を招いたように、IT業界も同じ道をたどるのか…
有元美津世/東京新聞・中日新聞「電脳人」2003年6月掲載
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