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今回のイラク戦争では、情報配信・収集に関しインターネットが大きな役割を果たしている。
戦争勃発前にあれだけ世界各地で反戦運動が盛り上がったのは、インターネットに負うところが大きい。多くの人がインターネットを使って、どこでいつ反戦活動が行われるかといった情報を入手し、国境を越えて反戦のためのネットワークを築いているのだ。
反戦派は、署名集めや募金集めにもインターネットを利用している。200万ものメールアドレスを擁するという反戦グループもあり、「オンライン活動家」という言葉すら生まれている。
もちろん、戦争賛成派も同様にインターネットを活用している。
同時にインターネットは、正確な情報を求める人たちの貴重な媒体にもなっている。アメリカの主流メディアは政府寄りの情報しか提供しないため、中立な情報を求めてイギリスやオーストラリアのメディアのサイトにアクセスするアメリカ人が増えているのだ。
さらにウエブログやブロックと呼ばれるオンライン日記では、爆撃を受けるバグダッドで書き込みを続ける男性の日記を読むこともできる。「好きだった建物が爆破されて涙が出そうだった」とか、「パン屋だけが開いていた」とか、一般市民の生の声が聞こえてくるのだ。このサイトには世界中からアクセスがあり、サーバがダウンするくらいだという。
私もインターネットを使って今回の戦争の真相を調べているが、インターネットの優れたところは、メディアのフィルターを通じず、資料の原本にも直接アクセスできるところだ。
民主主義は、ブッシュ政権が唱えるように軍事力で築かれるのではなく、情報公開、正確な情報の入手によって得られるものなのだ、とインターネットが教えてくれている。
有元美津世/東京新聞・中日新聞「電脳人」2003年4月掲載
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