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「電脳人」

−旅行代理店の行く果て−


 
 年末年始にオーストラリアとニュージーランドを旅行する。日程を組むのにガイドブックを見たが、目的地が多すぎてどこを訪問すべきか決められない。

 そんなとき、eGulliverという旅行スペシャリストのサイトを見つけた。スペシャリストの多くが旅行代理店に勤めるエージェントで、旅行プランニングの手伝いをしてくれる。有料サービスもあるが、たいていはホテルや現地ツアーの予約をすればプランニングは無料で手伝ってくれる。

 ニュージーランドとオーストラリアのスペシャリストを調べてみると、10人以上のスペシャリストが表示された。私は、ニュージーランド出身で、オーストラリアのオンライン旅行代理店に勤めるイギリス在住のスペシャリストを選んだ。

 そのスペシャリストは、私の質問に答えてくれ、どこを訪問すべきかを提案してくれた。国内の飛行機の予約を頼んだ後、返事が数日来なかったので、その間、私は航空会社に電話をしたり、インターネットでホテルを探したりした。結局、飛行機もホテルも、彼女の料金より、私が見つけた料金の方が安かったので、自分で手配することにした。

 ホテル探しには、シドニーの旅行代理店のサイトも利用した。そのサイトでは、実に多くのホテル情報が掲載されており、料金も「当店特別料金」とある。しかし、インターネット上でいろいろ探したところ、他にもっと安い料金があり、結局、そのサイトの料金が一番高いことがわかった。また、代理店を通して予約をすると、キャンセルや変更をする場合、たいてい手数料を取られる。ホテルに直接予約をすれば、当日または前日までにキャンセルすればキャンセル料なしというところが多い。

 これでは、旅行代理店は付加価値を与えるどころか、消費者と航空会社やホテルの間に入った「障害物」である。インターネットが登場し、中間業者の淘汰が叫ばれて久しいが、何の付加価値も与えない旅行代理店が淘汰されるのは仕方がない。

有元美津世/東京新聞・中日新聞「電脳人」2000年12月掲載 
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